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2014年03月03日(Mon) 【映画】 奇跡の海 ※ネタバレとえげつない内容注意。 ラース・フォン・トリアー作品です。 これとダンサーインザダークとあと一個、なんとかってやつが黄金の心三部作と呼ばれているらしい。黄金の心とは、主人公の美しい心をさすんだそうな。なんというか、愛するもののために自己犠牲さえもいとわないような。 そう。これもそういう話でした。 トリアー作品はこれで三作目だけど、今のところこれが個人的に一番えげつない。いや、どれもえげつないしえげつなさの種類が微妙に違うから順位を付けられないけど、これが一番嫌な作品な気がする。……いや、ドッグヴィルも嫌さだと張るからな。難しいな。 とりあえず、R15作品だそうだけど、もうこれR18にした方がいい気がする。 性描写がえげつない。どんくらいえげつないかというと、男の下半身にモザイクが入るくらいえげつない。下手なAVでも見せられている気分になった。今まで色んな映画のエロ描写見てきたけど、もう見ていることが嫌になるレベル。でもあれを見て性的に興奮する人はあまりいないと思うけど。 信仰でガチガチに育てられた主人公が、夫を娶る(表現おかしい?けど村に入ってくるのが男の方なのでこの表現が合う気がする)ところから話は始まります。 主人公は明らかに病んでいて、過去に実の兄が亡くなったときに精神病院に収容されていたこともあるレベル。男とつきあうのは初めてで、もちろんセックスも初めて。 しかしこの話の序盤から狂っているところは、この主人公が初めて夫となった男とセックスする場所が、結婚式を挙げた直後にトイレでということ。 最初まさか見てるこっちもトイレだとは思わないから、ホテルにでも来たのかと思って見てたんだよ。「抱いて」と言う主人公に「ここで?」と戸惑う男。「もっとふさわしい場所があるんじゃないかな」と諭す男に、主人公は譲らず、「でも、ここ素敵よ」この直後くらいに、場所がまさかのトイレだと気づいてこっちはびっくり。さらには「本当にいいのか?」とか言いながらおっぱじめたものだから、もっとびっくり。 映画のセックスシーンって、大体ロマンチックだったりエロエロだったりと、それなりに絵になるように色づけされているじゃないですか。鑑賞に堪えるエロシーンというか、それ自体がエロスで芸術みたいな。 でもトリアーさんのエロシーンはただ生々しい。地味だしぜんぜん綺麗じゃないし、エロエロでもないし、ロマンもない。そもそもやってる二人が美男美女じゃない。 男の方はやや太ってるしちょっとはげてるし、女の方は顔はまあ、素朴で可愛いけどそんな綺麗な女優さんじゃない。体だって、ナイスバディとはほど遠い。 ていうか、この女優さんちょっとダンサーインザダークの主人公と雰囲気が似てるんだけど(系統一緒)この人こういう素朴系が好きなんだろうか。でもドッグヴィルでは超絶美人(ニコールキッドマン)使ってたから、あえてこの黄金三部作ではこういう系統を使ってるのかもしれないけども。 まあ、そんなわけで無事結婚式と初夜(?)を迎えた二人は、楽しく愛欲の日々を送るわけです。見ているこちらはそんなところまでリアルに表現しなくていいんだよ、とちょっとげんなりです。 で、村にはまともな仕事がないので、男たちは出稼ぎに出なければならないんですね。夫も例に漏れず、炭坑に働きに戻ることに。 途端に主人公が発狂します。まさに発狂。いきなり泣き出したり、ヒステリーを起こしたり。見送りに行ったときも、耐えきれずに飛び立とうとするヘリコプターに泣き叫びながら駆け寄り、夫が降りてきて抱きしめて宥めるようなはめに。 それでも夫は行ってしまって、主人公の精神状態を不安定にしながらも夫の帰りを待つ日々が始まります。 この主人公は敬虔なクリスチャン(なのかどうかわからんけど。たぶんキリスト教)で、たびたび一人二役で神と会話をしています。 だいたいは自分の行動を諫めるためにやってるんだけど、夫のいない日々の辛さに追いつめられた主人公は頭の中の神様に、どんなことになってもいいから夫に帰ってきてもらいたい。と祈ります。 そしたら、タイミングよく(悪く)夫の仕事場で事故が発生。病院にかつぎ込まれた夫は生死の境をさまよいながらも助かります。が、首から下が麻痺状態で、全く動けない体に。 それでも帰ってきてくれたことを喜んで、病んだ妻は夫の看病をします。夫も憔悴するかと思いきや、意外とそこまで思い詰めてなくて贈り物に笑ったりとそれなりに幸せそう。 でもトリアーがこんな状態で終わらせるわけもなく。こっから主人公に対するえげつないいじめが始まるわけです。 発端は、夫の言葉。俺はもうおまえを抱いてやれない。宗教上の問題から離婚は許されない。だから、おまえは愛人をつくれ。的な頭のおかしいことを言うわけですよ。 もちろん夫を心底愛している主人公はそれを拒絶します。 でも、夫はこれは俺のためだ。と主人公をさらに諭します。彼女が他の男とした行為を語ることで、自分が妻を抱く代償行為にする的な。 夫のことを何よりも愛している彼女は、嫌々ながらも夫の望みを叶えようとします。嫌悪を抱きながらもバスで見知らぬ男のナニを触り(あれじゃただの痴女だが)主治医の前にすっぽんぽんで横たわります。まあ、主治医には拒絶されるんだけど。そのせいで、相手を求めてもっと危険な状態に自分を追い込むことに。 やがて、精神を病みすぎた主人公は自分が違う男と関係をもったおかげで危篤に陥った夫の状態が持ち直したという妄想を抱き、自分が犠牲になれば夫は助かる!というわけのわからない思考に陥っていきます。 周囲からは理解を得られるわけもないし、他の男に触れられることで、泣き叫び、嘔吐するほどの嫌悪を感じてもいる。どんどん追いつめられてずたぼろになっていく主人公は、これでもかといったくらい残酷な目に遭います。 たぶん、今まで見た映画の中で一番可哀想な目に遭ったのがこの作品の主人公かもしれない。肉体的にも精神的にもぼろっぼろだった。 描写的な面を見ると隣の家の少女の方がえぐかったし扱いもひどかったけど、あれは見たことをすっかり忘却してしまい、そろそろ見ようと借りようとして「あれ?これもう見たわ」と気づいたような悲しいくらい記憶に残らない映画だったので、除外します。あれだ。原作が素晴らしすぎたのが悪いんだよ。 そしてこの映画の嫌なところは、ダンサーインザダークのように、主人公の自己犠牲精神に感動できないところ。 主人公も夫も、なんというか同情しきれない。二人とも好きになれない。 主人公はまあ、病気だったんだろうけどブラックスワンみたいに可哀想には思えないんだよなあ。自分から自滅してるようにしか見えない。なんでそうなるの。冷静になれよ。と苛立ちさえ感じる。夫にいたっては、もはやおまえのせいだろとしか思えない。 なんか最後感動風に締めてたけど、これは感動できない。 ただただすごく嫌な映画だ。でもそのすごく嫌なところが大好きだ。 ちなみにこの映画に、ドッグヴィルの予告と、ドッグヴィルの真実(だっけ)とかいう映画?の予告が入っていたので嬉々として見ました。 いい予告だった。こんな予告を作品を知ないときに見てたら、間違いなくメモって借りに行ってた。そして予告に違わぬ内容に大満足してただろうな。 ドッグヴィルの真実だかなんだかは、一瞬続編?と思ったけど、ただ単にドッグヴィルを撮影した現場を撮影した映画撮影ドキュメンタリーらしい。 どんな風にこの映画ができたのかを赤裸々に見せてくれるらしい。そんなもの誰が見るんだろう。え。ドッグヴィルの中に特典として入ってるわけじゃなくて、わざわざ他のDVDで出てるってことなのかな。そんなまさか。 非常にぎすぎすした現場だったらしいので、人の悪意とか諍いとかなんかそういうのが好きな方たちは楽しめるのかもしれないけど、私はフィクションの悪意と諍いは大好きでもドキュメンタリーになると一切見たくないたちなので食指は動きません。 ただ、出演者の一人が言っていた「神に誓おう。この狂った監督とは二度と仕事しないと」にはちょっとにやっとした。 まあ、こんなクレイジーな映画を撮る人だから、変わり者ではあるんだろうな。トリアーもヘネケもきっとすごい変わり者だと私信じてる。 かいじゅうたちのいるところ パケ借り作品その二。 パッケージのかいじゅうに、もふもふたちが動く姿が見られるならたとえ内容がつまらなくたっていいさ!と借りてきた。 内容はふつーに面白かったです。そこまでおお!となりはしないけど、ふつーにいい話だった。 でもかいじゅうがあまり可愛くなかったことがショックだった。 どう見てもただのきぐるみです。もっとCGをフル活用したもふもふたちがいるのかと思っていたんだよ。 そして中身が人間臭すぎて、もふもふしたちょっとお馬鹿な人間たちにしか見えなかったのがちょっと残念。 もっと中身もかいじゅうらしかったらよかったのに。でも絵本が原作らしいから仕方ないのかな。 「食べたいくらい愛してる」的な台詞が、主人公を絶対に食べようとしなかったかいじゅうが言ったときはちょっときゅんときた。いいね、食べようと思えば食べられる生き物が、絶対に食べない相手に食べたいくらい愛してるなんて。 この台詞が聞けただけでこの映画を見たかいはあったかもしれない。 ジョニーは戦場に行った ずっと楽しみにしていた鬱映画です。 いやー、鬱だった。最初から最後まで一貫して鬱だった。なんだこの映画。重すぎるわ。 まあ、設定自体重いから仕方ないんですが。 主人公は戦争で爆発に巻き込まれ、手と足、それから顔の大部分を失った傷痍軍人。 鼻から下がごっそりえぐれてるらしいから、もちろん喋れないしものも食べられない。 そもそも脳の大部分が死んでるから、医者は患者の意識すらないと思っているレベル。 だからまあ、今後の戦医学の発展のためにと身元も名前も判明しないこの青年は実験体にされるわけです。 ところがどっこい、脳の大部分が死んでるにも関わらず、この青年にはちゃんと意識があります。自分がどこの誰かもわかる。感覚もある。手足がないから体は無理だけど頭を動かすことだってできる。 でも医者はそんなこと知らないから、動いてもなんとか反応だ〜って言って、意識はないけど生理現象のために動くことがあると皆に説明する。 人目につくからと病室でさえない物置に隔離された青年は、窓やカーテンさえ閉じられた密室で、ただただ生きているんだな。 そうして自分になにが起きたのかをじわじわと知っていく。腕がない。切り取りやがったな。これがないと働けないのに!今度は足を切る気か!やめてくれ!と、頭の中でいくらわめいたって、誰にも伝わらない。頭を振っても、ただのなんとか反応だと思われて気にしてもらえない。 身動きのとれない暗闇の中でただ生きながら、彼は夢と過去と現実の狭間をゆらゆらゆらゆら漂います。 愛するフィアンセのこと。戦争のこと。家族のこと。神の子の名をもつ男のこと。 そんな人生が何年も続く。何年も何年も。 絶望の二文字が本当にふさわしい作品です。 一番鬱なのは、実際にこんな状態に陥った人が、過去に六人ほどいたらしいということ。その人たちに意識があったのかどうかは知らないけど、植物人間状態で、脳死していたことを祈ります。 意識があったら無限地獄だよほんと。 終わり方もまさに鬱でした。 でもこの作品は映画より小説媒体の方がよりマッチするんじゃないかな〜と思いながら見ていたら、なんと原作の小説があるということを後で知りました。 なんということだ。すごく読みたいじゃないか。 08:49 重要なお知らせ@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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